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今回は片麻痺利用者様の実際の機能訓練の様子をご紹介します。
介助者が付いていてもトイレや行為時の立位が不安定なので改善したい、靴の脱着を座って安全に行えるようにしたいという生活動作の悩みをもとに目標・プログラムを立案し実施しています。
実際の訓練の様子を動画でも掲載していますので合わせてご覧頂ければと思います。
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立ち上がり訓練

私たちは椅子に座ったり立ったりという動作はごくごく当たり前に行っていますよね。
でも高齢になって大腿部の筋力が低下してきたりすると、その動作も簡単にはいかなくなってきます。
まして疾病などの障害が加わればなおさらです。
利用者様の状況

今回立ち上がり訓練の様子をご紹介するのはYさん(仮名)88歳女性です。
約30年前に脳梗塞を発症され、以後は施設に入所し車椅子生活を続けておられるそうです。
左半身麻痺で上・下肢ともに拘縮が強く、下肢装具を装着されています。
コロナ感染対策・緊急事態宣言の影響で、やむなくデイサービス利用を長期中止されたりということもあり、以前は一人介助でなんとか行えていたトイレや更衣動作が二人がかりでないとできなくなっているという状況です。
機能訓練の状況
最初は平行棒で立位訓練を行っていましたが、トイレや浴室の手すりを用いて行うことで、より実際のトイレ・更衣動作とリンクさせられると考え浴室脱衣所の手すりで訓練を行っています。
健側の腕と下肢の踏ん張りで立ち上がりは可能ですが、立位保持がやや不安定という状況です。
立ち上がりも日内変動があり、出来るときと出来ない時の差があります。
まずは安定した立位保持を10秒間保持できることを目標に頑張っています。
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靴の脱着訓練

靴を履いたり脱いだりする行為も高齢になってくると難しく感じることがあるようです。
若いときは玄関で立ったままスッと履いて出かけられていたのに・・・というお声もよく耳にします。
座って履くにしても足まで手が届かない、足が上がらず踵を入れることができないなど思うようにいかないことが多々あります。
手足の自由が利かないとなおさらです。
一人できちんと履けないからと言って踵を入れず踏んだまま玄関を出てこられる方もよく見かけます。
踵を踏んでスリッパ状態では歩容も変わってきますし、転倒の大きな原因になりかねませんので靴を正しく履くということは重要だと考えています。
利用者様の状況

靴の脱着訓練を実施しているのはxさん(仮名)77歳男性です。
xさんは3年ほど前に脳梗塞を発症され右片麻痺の後遺症があります。杖で歩行可能ですが、見守り・介助は必要です。
ご自宅の玄関が少し狭く段差もそこそこ大きいため、外出時に靴を脱ぎ履きするのが大変だということでこのような機能訓練を取り入れています。
機能訓練の状況

xさんは患側上肢・下肢へのマッサージ・ストレッチなどを行う際、ベッドに横になってもらうのでその時に訓練を兼ねて靴も自分で脱ぎ履きしてもらっています。
脱ぐのは足を使って比較的スムーズに脱げています。
健側を履く際も足関節の動きを上手く使ってきっちりと履けています。
患側は足を組むように健側の太ももの上に乗せて履かれます。
ただ患側下肢の力だけでは乗せることができないので、健側の手で持ち上げるようにして乗せます。
現在の課題としては
・患側の足を乗せた状態を靴を履くまで維持すること
・患側の靴を履き終わった後にゆっくりと患側の足を降ろすこと
の2点です。
靴を履くことに集中すると段々患側の足がずり落ちてきます。1回靴を履くのに落ちた足をまた乗せるというのを2,3回繰り返すことが多いので、足を組む姿勢の保持の訓練も必要になってきます。
また、靴を履き終えてホッとしてしまうのか履き終えるとドスンと足を降ろしてしまうことも多いです。

勢いよく落として足を痛めてしまうと当然良くないですし、患側は感覚も鈍っているので怪我をしていても自覚がないという可能性もあるので十分注意が必要です。
履き終わった後も手で補助しながらゆっくり足を降ろすということを意識付け出来るようしつこいくらい声掛けしています。
ご本人はウンザリしているかもしれませんが笑
ニギニギと「ながら運動」の定番です♪
まとめ
今回は、より具体的に実生活の動作を練習する機能訓練の様子をご覧いただきました。
トイレ動作、更衣動作は毎日必要な動作ですし、外出するためには靴の脱ぎ履きは欠かせません。
また、そういった動作の再獲得は生活意欲も向上させて毎日の生活に張りを与えてくれるでしょう。
それが機能訓練の意義、醍醐味であると考え、日々取り組んでいます。
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