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駅前とか住宅街とか歩いているとホント整骨院って増えましたね。
今やコンビニを差し置いて歯医者・美容院・整骨院が駅前を占有していると言っても過言ではありません。
そんな数多い整骨院の全てが柔道整復師法という法律を遵守して施術業務を遂行し、健全な保険請求を行っているわけではないと思われます。
法律には抵触していなくても本来の整骨院の業務とは違うサービスでサプリメントなどを高額で販売して利益を上げているような院もありました。
今回は私が勤めたことのある、もしくは知人や専門学校の同級生が勤務していた整骨院の中で
・患者を勧誘するために院の前で呼び込みを行う整骨院
・何でもかんでもマッサージする整骨院
・○○ダイエットと言って施術ではなくサプリメントを売りまくる整骨院
以上の3つの掟破り整骨院をご紹介します。
思い当たるようなところがありましたら、行かないことをおススメします。
自分でお手軽マッサージ♪
院の前で呼び込み営業

これを初めて見た時は本当にカルチャーショックでした。
もう10年以上前になりますが、私がハローワークで見つけた整骨院を複数運営しているグループに就職しました。
それまでは個人の整骨院に勤務していたのですが、出勤途中に交通事故に遭い大腿骨頚部と膝蓋骨を骨折して長期入院を余儀なくされ、その間に閉院するということになり、半年ほど無職になってしまったのです。
そんな中で見つけた就職先だったのですが、いざ出勤してみると「ほんまに整骨院?」と目を疑いたくなるようなことをスタッフが始めるのです。
その整骨院は急行なんかも停まる比較的大きめの駅を降りてすぐのところにありました。
スーパーも近くに2件あり日中は買い物をする主婦、夕方から夜にかけては仕事帰りのサラリーマンやOLが院の前を通ります。
その買い物帰りの主婦や仕事終わりのサラリーマン・OLに呼び込みをかけるのです。
「マッサージしていきませんか?」
「肩凝ってませんか?」
白衣を着たままで。
私が入ったのは夏だったので肩から汗拭き用のタオルをかけて。
品位も何もない。
引っかけ橋でナンパしているかのように呼び込みしていました。
整骨院のスタッフが仕事で日焼けしていました。
私は呼び込みの為に外に出ることはしませんでした。
そして10日も経たないうちに辞めました。
整骨院はマッサージがメイン業務ではありません。
慢性の肩コリに対して健康保険を使って施術も出来ません。
キャバクラなどのように呼び込み行為ももちろんダメです。
なので、普通にマッサージという言葉を使っていたり、院の前で堂々と「マッサージいかがですかー?!」と呼び込みしているような整骨院はやめておきましょう。
コロナ禍でもあるので、呼び込みをしているような院は今はほぼないとは思いますが。

ちなみに私が10日も経たないうちに辞めた整骨院は2,3年後にはつぶれたようで、別の整骨院が新たに開院していました。
場所は良かったので集患行為や施術内容はともかくとしても、そこそこ患者さんは来ていたのですが・・・
通報されて監査でも入りましたかね?(笑)
あ、念のため言っておきますが、私は何もしていませんよ。(笑)
なんでもマッサージ施術

腰が痛い、肩がだるいということで来院されて「はい、じゃあベッドに寝てください」と言ってマッサージを始めるという整骨院も中にはあるようです。
まあ普通はまず問診で「どんな症状」「いつから」「原因として思い当たること」などを確認し、視診や触診を経てどのような施術を行うのかを決定していくと思います。
ところが、そのような大切な情報も十分得られないままなんでもかんでもマッサージをして仕事をしましたというセラピストも少なくないです。
これは私が専門学校時代に聞いた話ですが、
ある整骨院に背中の痛みを訴える初老の男性患者さんが来院されたそうです。
担当したスタッフは一通り問診を行いマッサージなどの施術を行い帰ってもらったとのことでした。
ところが、その後すぐにその患者さんは亡くなられたそうです。
よくよく聞いてみると、その患者さんは背中の痛む場所がよく変わるとおっしゃっていたそうです。
その「痛む場所が変わる」というのがポイントで、命に関わるある疾患の可能性が考えられるものでした。
その疾患とは「大動脈解離」です。
大動脈解離とは
大動脈解離とは大動脈を構成する内膜、中膜、外膜のうち内膜が破れることによって中膜に血液が入り込む状態のことをいいます。 急性期には解離した血管の壁が薄くなり破裂を起こす可能性や解離によって主要臓器への血流が遮断される事による臓器充血、心臓の周囲に血液が溜まる心タンポナーデなどの合併症があります。
約70%~80%に胸背部痛があります。
引用元:川崎大動脈センター
簡単に言うと動脈の血管が徐々に割けてきて、最終的には破れて体内で大量に出血して死亡してしまうという恐ろしい病気です。
有名なバイプレーヤーの俳優さんが数年前この病気で亡くなったとニュースになっていました。
その方も背中の痛みを訴えておられたようで、亡くなる前にマッサージ店でマッサージを受けていたそうです。
どちらも背中に痛みを感じている時点で危険のサインが出ているので、マッサージが直接死亡の原因というわけではないです。
ただ、マッサージによって血流が良くなり、割けてきている血管にかかる圧力が強くなって破裂を促進してしまったという可能性も否めません。
私が聞いた話のスタッフは相当落ち込んだようです。
このような内的な疾患についての知識もないと「こういう病気の可能性もありますから早めに病院受診してください」という提案も出来ません。

他にもマッサージは禁忌とされている疾患や症状、身体の状態はたくさんあります。
施術前にそういった症状の把握をしっかりと行うためにも、問診・視診・触診は重要なのです。
それらを十分に行わずに、中途半端に施術を始めるような整骨院はやめておきましょう。
背中が痛いという症状全てが重篤な疾患というわけではありません。
でも痛み方が尋常じゃない、痛む部位がコロコロ変わるなど今までにない症状であれば病院受診しましょう。
自分で自分の身を守ることも必要です。
○○ダイエットと言って施術ではなくサプリメントを売りまくる整骨院

整骨院という看板を掲げてダイエットを売りにするというのは支離滅裂ですね。
まあ今の時代そういう経営をしていかないと生き残れないのかもしれませんし、ダイエット関連に健康保険の適応はしていないと思うのでアウトではないのでしょう。
でも本来の整骨院のあり方ではないですね。
整骨院、柔道整復師の本来の施術業務そっちのけでダイエットの広告を大々的に掲げて骨盤矯正だのサプリメントだので利益を追求しているところもありました。
ただ、ダイエット目的なら整骨院じゃなくてスポーツジムとかに行ってトレーナーと一緒に頑張る方が良いと思います。
費用的にもそんなに変わらないんじゃないでしょうか。
きちんと柔道整復師法に則った運営をしている整骨院もたくさんあります。
整骨院に行くなら、看板やホームページもチェックしてダイエットとかサプリメントとかを謳っていない、売りにしていない院をチョイスして行きましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回はあまり模範にならない整骨院の特徴をご紹介しました。
呼び込みやダイエットサプリなどは患者さんの身体に害になるということはありませんが、安易にマッサージばかりする整骨院は特に注意が必要です。
整骨院の施術スタッフである以上、身体の仕組みや症状について全く知識がないということはないでしょうが、問診もそこそこにむやみにマッサージなどを行ってまた明日も来てくださいというスタイルでは、もし重大な病態が潜んでいる場合手遅れになることもあります。
自分の身体は自分で守りましょう。