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今回は、4点歩行器を用いた歩行で生活しておられる利用者様の個別機能訓練、歩行訓練の様子をご紹介します。
今の4点歩行器はアルミ製で折り畳みが出来て且つ軽量なものが多いです。
歩行時にどうしても持ち上げる必要がありますが、ある程度腕の力があればスムーズに歩行する補助に十分なります。
実際の歩行の様子などを交えてご紹介します。
歩行器とは

歩行器とは
歩行器(ほこうき)とは、人の歩行を補助するための機器であり、歩行補助機器(Mobility aids)の一種。介助用のものは安定した姿勢の保持と転倒の防止が見込めるが、両手の使用に支障がないことが前提である。乳幼児用のものは遊びの一環として使用される遊具として扱われるようになっている。
引用元:wikipedia


このようなキャスター付きの歩行車がよく用いられています。
①の写真のものはハンドルは自転車やバイクと同じようにブレーキを握るタイプです。
②の写真のものは肘から手までを黒い部分に乗せて前に少し持たれるような感じで歩く補助具です。
前腕、手指がしっかりとしている方は①の写真のものを、体幹がやや不安定だったり、手の力にも不安があったりする方は②の写真のものを使用されることが多いです。


④の写真のものは①②同様キャスター付きのものです。
③の写真のものが今回の利用者さんが使用されているタイプの4点歩行器です。
4点歩行器
4本の脚のあるタイプであり、固定型と交互型に分けられる。固定型のものは、まず歩行器を一歩前に出し、しかる後に片足ずつ歩行器の位置まで足を進める作業を繰り返して前進する
歩行器を用いての3動作歩行



このタイプの歩行器はしっかりと握って少し持ち上げる必要があるので腕の力は必要になりますが、4点で地面に着くので安定感はあるようです。
4点歩行器での歩行訓練

今回4点歩行器での歩行訓練をご紹介するのは
Dさん(仮名) 93歳女性です。
自宅では娘さんと二人暮らしされています。
週1回のデイサービスの利用以外はずっと家で座ってテレビを観ておられるそうです。
自宅内はほぼ伝い歩きですが、たまの外出やデイサービスに来所される際は4点歩行器を使用されています。
1年ほど前までは杖で歩行されていましたが、変形性膝関節症による膝の痛みが強く歩行が不安定になってきたのでケアマネさんとも相談し歩行器が導入されました。
歩行車も試してみましたが、歩行車が前に出すぎてしまって足がついていかない時があるので怖いということで4点歩行器を使用されています。


歩行器を使い始めたころに比べると、随分安定した歩行になりました。
3動作歩行でゆっくりではありますが、ふらつきもなく、すり足になることもなく安全に歩行できています。
「1・2・3」と掛け声をかけながら歩行器・一方の足・もう一方の足を順に出して確実に歩を進められるようになりました。
安定した歩行ができるようになってきたので、もう少し距離を延ばそうかとも考えています。
現在は約50mほどの距離を約3分かけて歩かれます。
私はスピードはそこまで重視していませんので少々時間がかかっても安全に歩けるように歩行訓練を続けています。
膝への負担も考慮して70mくらいまで距離を延ばして連続歩行の練習を提案してみようと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
歩行器の大まかな種類の説明も少し入れて、歩行訓練の様子を紹介しました。
動画をご覧いただいた方はお分かり頂けるかと思いますが、93歳でも結構しっかりと歩かれてますよね。
ゆっくりではありますがほとんど体幹バランスを崩すことなくしっかりと介助しなくても見守りのみであれだけ歩けるようになるんです。
自宅でも少し身体を動かしてもらえればもっと膝の痛みも抑えられて運動も楽になると思うのですが、家では何もしたくないそうです。(笑)
デイサービスではご紹介した歩行訓練はもちろん、体操や軽い筋力トレーニング、ストレッチはしっかりと行われています。
歩行器や杖を用いたものに限った話ではありませんが、歩行にはリズムが大事だと思います。
それぞれに合ったリズムで声掛けしてあげると足が出やすくなったり、スムーズになることはよくあります。
歩行器など使い始めの訓練時は特に歩調取りの声掛けをしてあげると良いですね。
こちらの記事でも歩行車を使用した歩行訓練や屋外での歩行訓練の様子をご紹介していますので、合わせてご参考ください。
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