捻挫や打撲などのケガをした時、病院受診前にするべき4つの応急処置 ~RICEの法則~

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柔道や陸上競技はもちろん、サッカーやバスケットボール、ラグビーなどの球技においても捻挫や打撲などのケガのリスクは常に頭に置いておかないといけません。

自宅においても転倒して机の脚に足をぶつけた、階段を踏み外して足首を捻ったなどのケガはよく起こります。

ただいくら予防をしていても、その時の相手の動きやグラウンドのコンデイション、自身の気のゆるみなどで思わぬケガをしてしまうことは多々あると思います。

ケガをしてすぐにスポーツトレーナーに診てもらったり病院受診したりができれば良いですが、試合中だったり仕事中だったりだと中々迅速にそれらの処置ができるとは限りません。

今回はそのような時にできるだけ症状を抑えるための4つの応急処置「RICEの法則」をご紹介します。

RICEの法則とは

RICEの法則(ライスのほうそく)とは身体が傷害を負った際に早急に執るべき応急処置における法則の事である。

Rは「Rest」(安静)、Iは「Icing」(冷却)、Cは「Compression」(圧迫)、Eは「Elevation」(挙上―持ち上げておく)の頭文字をとったものである。

これらは医学的な根拠から傷害を負った際に出来る限り患部の炎症や出血を抑えるための方法である。病院などの医療機関での診断を受けるまでは出来る限りRICEに則った措置を執る事が推奨されている。

引用元:wikipedia

一般の方にはなじみのない言葉だと思いますが、医療従事者にとっては必須知識と言っても過言ではないでしょう。

私も柔道整復師として学習させて頂きましたし、整骨院勤務時代も実践していました。

スポーツ外傷に限らず一般的な外傷受傷時の応急処置はRICE処置です。

「出来る限り患部の炎症や出血を抑える」ことによって、痛みや腫れを抑えます

腫れを抑えることができれば治癒までの期間を早められる可能性も高まりますし、痛みも和らげられるでしょう。

実際「冷やす」処置が必要ということも知らないという方も多いです。

実際、整骨院にも打撲や捻挫症状で来られる患者さんのほとんどが何も処置せずに来院されていました。

部活の練習中や試合中にケガした学生さんでも冷却の処置のみという方ばかりでした。

受傷後すぐに来られれば良いですが、数時間経過してから来られる方も多く、そんな方はやはり症状は増悪していることが多かったです。

受傷時の状況や症状の度合いにもよりますが、数時間、数十分放置しているだけでも熱感・腫れ・内出血・痛みが非常に強くなることもよくあります。

そのような状態になる前に適切にRICE処置を行って腫れや痛みを抑え、少しでも治癒を早めて競技や日常生活に早く復帰できるように努めましょう。

RICE処置

RICEの法則
compresstionではなくcompressionですね。

Rest(安静)

受傷部位の腫れや痛み、血管・神経の損傷を防止するために患部を安静に保ちます。

筋肉や関節の余計な動きを減らして必要以上の血行を抑制し、内出血を抑えます。

副子や包帯、テーピングなどで受傷部位を固定します。

手包帯固定

(Icing)冷却

受傷部位は放っておくと損傷した筋などを修復しようと血液が集まってきます。

それによって受傷部位は発赤、熱感を伴って腫れや痛みの症状がより強くなります。

なので、血流を必要最小限にして腫れや痛みを抑えるために患部周辺の血液循環を抑制する必要があります。

その手段として患部をアイシング(冷却)します。

患部アイシング

アイシングに使用するもの

ビニール袋や市販の氷嚢バッグに氷と水を入れた氷嚢が一般的に使われています。

私はアイスノン保冷剤をよく使用します。

腰などの広範囲の部位には大きめのアイスノンや氷嚢、手首や手指などの小さい部位には保冷剤と受傷部位によって使い分けています。

直接患部に長時間当てると低温やけどを起こすリスクがありますので、タオルやハンカチなどに巻いて間接的に患部に接触するようにしています。

市販のアイシングサポーターも保冷剤を固定しやすいのでお勧めです。

アイシングにふさわしくないもの

湿布

整骨院に来られる患者さんで多いのは「湿布貼って冷やしたよ」という方です。

湿布は製品によって効能に違いがありますが、基本的には「消炎・鎮痛」の効果を期待されるものだと思います。

貼った瞬間はメントール効果でヒヤッとする感じがあるとは思いますが、アイシングの効果までは期待できません。

ですのでアイシングという意味では湿布は利用すべきではありません

ある程度アイシングを行ってから、もしくはアイシングの合間などに鎮痛目的で使用するのは良いでしょう。

湿布を貼った腰部
解熱用のジェルシート

熱発時などにおでこに貼るジェルシートは熱発時じゃなくても夏場に足裏に貼ったりするとヒンヤリ気持ちいいですよね。
でも「冷たくて気持ち良い」程度で利用するものなので、捻挫や打撲などのケガに対してのアイシングとしての効果は全く期待できません。

1回15~20分を目安にアイシングします。長時間続けて冷やしすぎても血流が低下しすぎて、かえって悪影響を及ぼしますので長時間連続でのアイシングは絶対に控えましょう。

ジェルシート

アイシングの時間

1回15~20分を目安にアイシングします。長時間続けて冷やしすぎても血流が低下しすぎて、かえって悪影響を及ぼしますので長時間連続でのアイシングは絶対に控えましょう。

気温や年齢、受傷部位などによってアイシングの時間は違ってきます。
アイシングを行って感覚が鈍ってきたら15分という時間にとらわれずに一旦終了しましょう。
アイシングを繰り返し行うと、初回よりも短時間で感覚がなくなることが多いです。
なので、常に同じ時間だけ行う必要は足ません。
アイシング中に患部を触ってみて、どれくらい冷たくなっているかチェックするのも良いです。アイシングを安全に行いましょう。アイシング間の時間も、アイシング時間と同じで様々な条件によって変化します。
目安としては1時間ほど感覚を空けるべきですが、患部の状態によって間隔を空けましょう。
アイシングしたまま眠ってしまうと長時間患部を低温にさらすことになり、低温やけどなどの2次外傷を引き起こしてしまいます。
キッチンタイマーなどで15~20分で設定して、必要以上に長い時間アイシングしないように注意しましょう。

アイシングを実施する期間

受傷後24時間が目安となりますが、これもあくまで目安なので受傷部位・受傷部位の状況・熱感や腫れの具合・痛みの加減で継続するか否かを判断します。

ただ安易な自己判断は危険なので、受傷後は速やかに整骨院や整形外科を受診されることをお勧めします。

アイシングを行う前に確認してほしいこと

ケガ

患部に限局しているとはいえ、身体を冷やす行為ですので、高血圧症や心疾患がある方や寒冷アレルギー・レイノー症状をお持ちの方は十分注意が必要です。

患部をアイシングする前に、身体全体の状態確認も行いましょう。

糖尿病の合併症などで感覚障害がある方へのアイシングも注意が必要です。

以上の疾患を持っていたり、疑わしい場合は安易にアイシングは行わずに、整形外科等受診して医師の判断・指示を仰ぎましょう。

Compression(圧迫)

包帯固定した足首

腫れや内出血を最小限に抑えるために患部にテープや弾性包帯を巻いて圧迫します。圧迫が強すぎると血流障害や神経障害を起こし得るので、痺れや変色などの違和感を感じたらすぐに緩めましょう。

圧迫後、爪の色を観るのも良いです。爪が白ければ血流が十分でないという目安にもなるので、そういった症状が観られれば圧迫を少し緩めてみましょう。

Elevation(挙上)

患部挙上

腫れの軽減を図ることが目的です。
理想は受傷部位を心臓より高く挙げるようにします。

心臓の位置よりも高く患部を挙上することで、重力によって幹部への血流量を減少させ内出血を抑える効果が期待できます。

受傷部位は台などの安定したものに乗せて楽な態勢で挙上を維持しましょう。

内出血や腫れは筋肉の多い部位では吸収されやすいですが、手の先や足の先に広がると吸収は遅れますので、患部をできるだけ高い位置に置く必要があります。

まとめ

今回は打撲や捻挫を疑われるケガをした時の応急処置RICEの法則についてご紹介しました。

スポーツの現場はもちろん、自宅での転倒などケガはいつ起きるか予測はつきません。

いざという時の応急処置の方法や知識は頭に入れておいて損はありません。

ただ、これはあくまで「応急処置」です。

これだけやっておけば治るというものではありませんのでご注意ください。

ケガした直後にこれらの処置を施しておいてできるだけ早く医療機関を受診してください。


整骨院で施術できるケガや症状についてはこちらの記事で紹介していますので、合わせてご参考ください。

[整骨院で健康保険を使って施術を受けるべきでない人3選]~マッサージ屋か病院へGO!

[整骨院とは?柔道整復師とは?]整骨院ってあちこち増えてるけどどんな症状の時に行けば良いの?