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デイサービスで毎日行われるレクリエーション。
ゲームなどがメインになりますが、何か一つのものを作る作業というのも利用者さんにとって楽しめるものだと思います。
ただ、複雑なものだと認知症の方が作業工程を理解しきれず、結局スタッフが付きっ切りでほとんど全ての工程をスタッフが行ってしまうという事態になることも多いです。
また、作業が複雑で出来ないとすぐに嫌になってしまったり、諦めてしまったりする利用者さんも出てきます。
それでは意味がないので、今回は貼って名前を書くだけの簡単な貼り絵カレンダー作りの様子をご紹介します。
のりを付けて貼っていくだけでご自宅の玄関や自室に飾って頂けるようなカレンダーなので、認知症などで作業が困難な方でも取り組めます。
この本で認知症の方の世界を理解するとともに機能訓練のアプローチも考えられます!
私のイチオシです!
カレンダー制作

制作準備
のりで貼っていくだけなので利用者さんにとっては取っ付きやすく簡単に作業していただけますが、前準備は少し手間がかかります。
今回は8月のカレンダーなので、ナスと朝顔の花をあしらったカレンダーにしました。
ですので、ナスと朝顔、葉っぱを画用紙と花紙、折り紙で利用者さんの人数分を事前に準備する必要があります。
必要なものは
・カレンダーの台紙
・8月カレンダー用紙
・ナス
・朝顔の花×2
・葉っぱ×2
これらをスキマ時間に少しずつ制作してもらう日に合わせて前もって作っておきました。
こういうのを常備しておくといつでも使えますね♪コスパもgood!
制作の様子


素材一式とのりを各利用者さんに配って見本のカレンダーも各テーブルに置きます。
「今日は花を貼ったりしてカレンダーを作りますよー!」の声でサクサク手を動かし始めてくれれば良いのですが、もちろんそうは問屋がおろしません。
「これ何?」「今から何するの?」「私は目が悪いから無理やわ」などのネガティブ発言のオンパレードになります(笑)


貼っていく順番をあらかじめ決めておいて
「最初にナスを貼ってください」
「ナスが貼れたら次は葉っぱを貼っていきましょう」
と全体に声掛けしながら、それでも分からない方には個別に付いて作業していきます。
一つのり付けして貼れれば後はできるという方が多いです。
貼る場所に迷って中々作業が進まないという方もいらっしゃいますが、そんな方には
「見本と同じように貼ってみてください」
「どこでも好きなところに貼って大丈夫ですよ」
と声掛けしています。
もともと貼る位置を細かく指定していませんし、その通りに貼らないとおかしくなるというような作りにはしていないので好きなように貼ってもらっても大丈夫です。


のりを付けるのは各々のやり方にお任せしています。
台紙にのりを付けて貼っていく方、花など貼る物にのりを塗って貼る方様々です。
台紙にのりを付ける場合はあまり広い範囲に付け過ぎてベタベタしたり、余計なものがのりで張り付いたりしないように注意して見守ります。


やり方が理解できて慣れてくると集中してどんどん完成に近づいてきます。
暑い8月のカレンダーが涼しげなものに出来上がっていくに連れて、みなさんテンションが上がってきます。
「わー、綺麗に出来てきた!」
「もうちょっとで完成かな」
と手の動きもよりスムーズになっていきます。


ナス・朝顔・葉っぱを貼って名前と8月の文字を入れたら完成です。
日付や曜日感覚が少しなくなっている方もこのカレンダーで毎日意識してもらえると嬉しいですね。
何かを作る、手作業をするということも脳を活性化させて認知症の進行を妨げる一つの方法だと思います。
なので、このような制作の機会をもっと増やしていければと思います。


まとめ
今回はデイサービスでの利用者さんの貼り絵カレンダー制作の様子をご紹介しました。
デイサービスは集団の場なので、それぞれ残存能力にも個々に差があります。
こういった手作業もうまくできない、どうしていいか分からないという方もいらっしゃいますが、そういう方にこそ少しでも頭を働かせて手を動かして楽しんでもらいたいと思います。