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足背部(足の甲)や下腿部(ふくらはぎやすね)の浮腫(むくみ)、膝の痛みなど下肢への徒手療法としてマッサージを施術される方、受けられる方も多いと思います。
今回は、ガッツリ効かせるというよりも高齢者の方等に心地よく受けてもらえるような手法を中心に行っている様子をご紹介します。

足背~前脛部(すね)軽擦
私は現在高齢者デイサービスに勤務しているので、高齢者にマッサージを実施することがほとんどです。
下肢に関しては「浮腫(むくみ)」「膝痛」を訴える方が多いです。
足背部(足の甲)から足関節(足首)にかけての浮腫が多いので、足先から上の方に流すように軽擦マッサージから行っています。
膝を軽く曲げると下肢の筋肉が全体的に緩んだ状態になるので、自分の足を仰向けに寝ている患者さんの足の下に敷くような態勢で施術を行っています。


浮腫のある方は、流れが滞りがちな心臓へ帰る血流を促進させられるように、心臓へ押し返すイメージで行っています。
ちょっと余談になりますが、血圧高値だったり下肢静脈瘤があったりする方にはマッサージは中止してください。
血栓ができたり、脳出血を起こしたり取り返しのつかない事態になるケースも十分考えられますのでご注意ください。
前脛部(すね)揉捏


脛骨(すねの骨)のすぐ外側の筋腹を下から上に向かって揉捏法で揉み解していきます。
このすねの筋肉はつま先を挙げる動作に働く筋肉です。
歩いたり立っている態勢を維持するためによく使う筋肉なので、この筋肉が硬くなったり働きが弱くなると立位が不安定になったり、歩行時につま先が挙がりにくくなって躓きやすくなったりします。
下腿後面(ふくらはぎ)はよくマッサージする部位として一般的ですが、すねのマッサージも重要です。
下腿後面(ふくらはぎ)



少し患者さんの膝を立てるような態勢にして、前脛部と同じように下腿後面(ふくらはぎ)も軽擦・揉捏法を用いて施術します。
ふくらはぎの筋肉は、すねに比べて大きいので4指(拇指以外の指)と拇指の付け根とで挟むように圧迫する手法も使っています。
膝周辺部


膝周りも軽擦から行います。
変形性膝関節症や膝周辺に痛みを訴えられる方はしっかりと時間をかけて行います。(膝周辺に発赤や熱感、腫脹が観られる場合は行いません。)
膝蓋骨から脛骨粗面にかけての膝蓋靭帯部を軽く揉捏などで揉み解します。


膝蓋骨(膝のお皿)を把持し、ゆっくりと時計回り、反時計周りに回すように動かします。
膝関節の動きは膝蓋骨の動きによって左右されます。
膝の動きが良くなれば歩行時にすり足になったり、つまづいたりという危険を減らすことに繋がります。
大腿部


歩行時に下肢を前に振り出したり、段を昇ったりするときに主に働くのが大腿四頭筋(大腿前面の筋肉)です。
この筋肉が硬くなると膝の曲げ伸ばしが思うようにいかなくなったり、膝の痛みの原因になります。
なので、前面への施術の比重は大きいです。


大腿部は前面・外側・内側・後面それぞれ軽擦、揉捏を行っています。
個々の症状によって重点的に行う部位は変わりますが、前面や内側に筋緊張が高い方が多いので必然的に前面、内側をメインに施術することが多いです。
腰に違和感がある方や、膝関節が伸び切らない(屈曲拘縮)方は大腿後面(ハムストリングス)へのアプローチを重点的に行います。
そのような時は、背臥位(仰向け)ではなく伏臥位(うつ伏せ)で行います。


大腿部は下肢の中ではもちろん、身体全体から見ても大きくて太い筋肉なので、しっかりと触ります。
ただ、力強くというわけではなく手全体を使ってしっかりと把持して手技を行います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は私が行っている伏臥位での下肢へのマッサージをご紹介しました。
どちらかというと高齢者向け、リラクゼーション的なマッサージではあります。
刺激が強くなりそうな圧迫法は手根など大きい面でとらえる手法で行っていますので、局所的に強すぎる刺激を与えてしまうというリスクも少ないです。
あなたのマッサージの参考になりましたら幸いです。
マッサージ・ストレッチに関してはこちらの記事でもご紹介していますので、是非ご参考ください。
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