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機能訓練士にとって機能訓練計画を考えるのって結構悩みどころの一つになりますよね。
ケアプランには機能訓練のことは曖昧な感じでしか記載されていなかったり、利用者さんご本人もご家族も具体的に「生活動作の中で何に困っているのか」、「何ができるようになりたいのか」ということがよく分からなかったりということが多いです。
いろいろと目標の考え方はみなさんあると思いますが今回は私が普段行っている長期目標の立て方をご紹介します。
この本で認知症の方の世界を理解するとともに機能訓練のアプローチも考えられます!
私のイチオシです!
長期目標について

私の長期目標の考え方
機能訓練士が機能訓練計画を立案する時の屋台骨になる重要な部分だと思います。
基本的にはケアプランの内容をもとに立案しなければなりませんが、
実際に機能訓練の計画も踏まえて居宅サービスの目標を立てているケアマネージャーはほとんど皆無と思われます。(「そんな余裕ないよ」と言われると思いますが)
私もここまで約6年デイサービス機能訓練に携わっていますが2021年3月までの「機能訓練Ⅱ」、
現在の「機能訓練Ⅰーイ」「機能訓練Ⅰーロ」等に対応する目標を立案するに値する内容のケアプランはほんの数件しかみたことがありません。
実地指導等のしがらみもありますので、現在の機能訓練Ⅰの目標基準(ICFの考えに基づいた内容等)は当然満たさないといけないしケアプランの目標にも沿ってないといけません。
でも大体のケアプランでは「下肢の筋力を維持する」とか「歩行能力を維持する」とか以前の「機能訓練Ⅰ」の目標にしかならない目標しか記載されていません。
じゃあケアマネに言えばいいじゃないかってなるんですけど小規模なデイサービスなんでケアマネに意見を物申すなんてできないということで生活相談員も知らぬふり・・・
そんななかでも仕事は仕事。
やらないわけにはいかない、実地指導に引っかかるわけにもいかないということで私なりにケアプラン、目標基準、利用者・ご家族さんの考えの3つを融合して無い知恵を振り絞って計画を日々立てています。
目標の基準みたいなものはググっていただけれはいくらでも出てくるのでここでは割砕させて頂きます。
機能訓練指導員も本が一冊あると心強いです!
私の長期目標例

ケアプランに「下肢の筋力を維持する」とか「歩行能力を維持する」とか以前の「機能訓練Ⅰ」相当の文言しか書かれていない場合
一番多いパターンです。
このような場合、まずはケアプランの目標以外のところにも着目して生活や社会参加と目標とがリンクできるところがないか探します。
「安全に入浴して清潔を保つ」「トイレを安全に済ませられる」等の文言が機能訓練とは違う欄に記載されていることが結構多いです。それらを踏まえて利用者様の能力や状況を観察し、自宅での問題点をご家族様にヒアリングして決定していきます。
<目標例>
・安全に自身でトイレで用を済ませることができる。
・安全に一人で入浴できる。
・公民館まで一人で行って町内会に参加できる。
ケアプランに「階段昇降能力を維持する」

このような場合は自宅で2階が寝室になっていて1階リビングと行き来することが多い利用者様に多いです。
利用者様の残存能力の確認やご家族様へのヒアリングは同様に行って目標作成していきます。
<目標例>
・自宅内階段昇降を安全に行い2階自室と1階リビングを安心して行き来できる生活を送る。
その他

ケアプランの目標と利用者様・ご家族様の要望やニーズが一致していればそれを目標として作成し実行していきます。
今まで作成した長期目標の一部をご紹介します。
<目標例>
・家族で旅行に行けるようになる。
・自宅内の掃除を安全に行える。
・近所の集会所まで一人で歩いて行ける。
・自身で台所に立って簡単な調理ができる。
・自身で洗濯を確実に行える。
まとめ
ケアプランに沿った内容で目標作成しないといけないのが前提ですが、正直それをまともに実行することは難しいことが多いです。
作成前にご自宅を訪問される際に日常生活での問題点を抽出し、ご本人の興味や関心があることにも目を向けて総合して決定していくことをおススメします。
もう少しケアマネ、介護スタッフ、機能訓練士間で共通認識が持てる体制であれば良いと思いますが介護業界って難しいですね。
もっと緻密に計画を立案されている機能訓練指導員の方も多いと思いますが、あくまで私個人の考え、やり方なのでご了承の上、参考にしてみてください。