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今日は円背の強い利用者様の平行棒歩行訓練を実施しました。
Hさん95歳女性。亀背と言っていいくらい背部の曲がりが強いですが、左側からの軽介助と杖で歩行されます。
95歳と高齢なので少しの歩行で息切れしたり、疲れが出たりすることがありますが、必要最低限の歩行移動などはご自分で行おうという意思を持っておられます。
大きな疾患もなく年相応の物忘れ程度は観られることはありますが、認知力の低下もそれほどなくしっかりされています。
ご自宅が昭和時代に建てられた古い様式の家屋で自室からトイレまでが約十数mくらいあるので、自室とトイレ間を安全に歩いて移動できるようになりたいとおっしゃっています。
今は息子さんと暮らしておられますが、夜のトイレなどは安全を考慮して自室のポータブルトイレで用を済ませるようにされています。
使ったポータブルトイレの処理をしてもらことに対して気を使ってしまうようで、なるべくトイレに一人で行って用を済ませられるようになりたいとのことです。


Hさんは歩行時に気を付けてもらいたいことが2つあります。
一つは「非常に早足になること」です。
今日の訓練時はそんなに早足になることはなかったですが、声掛けしないとペースが速くなることが多いです。
これは平行棒での歩行訓練時に限らず、杖で歩いている時もその傾向が強いです。
片足での踏ん張りが不安定で怖いという気持ちがあるのでしょう。
でも声掛けするとゆっくりと歩幅もある程度取って歩行できているので下肢の筋力的には問題ないようです。
歩幅をなるべく大きくとってゆっくり歩を出す歩行を定着させられるよう訓練を繰り返していきます。


もう一つの注意点は「目線が真下に行ってしまう」ことです。
円背姿勢のためある程度は仕方がないし、足元を確認しながら歩くことも必要なのですが、前方への目配り・気配りも大事です。
これも声掛けすると一時的には頭を挙げて前を見ながら歩かれるのですが、すぐに頭が下がって真下にばかり目線が行ってしまわれます。
自宅内で前方に障害物などあまりないとは思いますが、足元と目の前の両方を確認しながら歩くにこしたことはないので修正していきたいですね。
大きなケガはないですが、自宅で時々転倒されているようなので、そのような転倒のリスクを一つでも減らせるよう訓練を継続していきます。