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今日は変形性膝関節症で内反膝(O脚)の利用者様の平行棒での歩行訓練です。
以前に
『[本日のデイサービス機能訓練]⑦膝OA(変形性膝関節症)利用者さんの背臥位での下肢へのアプローチ』
の記事で下肢への徒手療法の様子をご紹介したOさん(83歳女性)の歩行訓練の様子をご紹介します。
普段は自宅内屋外とも歩行車で歩行をされていますが、依頼心が強く自分一人ではなかなか歩こうとされません。
自宅ではトイレと食事以外は自室のベッドからほとんど動くことがないようです。
自宅玄関に階段があって外出時は階段昇降は必須になります。
手すりにつかまってなんとか昇り降りされますが、お尻を叩いてハッパをかけるくらいしないと動かれません。(当然実際はお尻を叩いたりはしていませんが💦)
筋力低下、膝の痛みに加えて転倒に対しての恐怖心が人一倍強く、必要以上に一歩踏み出すことをためらわれることが多いです。
気分によっても積極的に歩くときもあれば全然歩みだせない時もあり不安定です。


内反膝(O脚)も進行しており、膝の屈曲も90°くらいまでが限界です。
特に左膝から大腿部にかけての痛みの訴えが多いです。
立位時、歩行時の歩隔(右足と左足との間隔)も大きくなりがちです。


歩隔が大きいのに反比例するように歩幅は小さくなることが多いです。
片足へ体重を十分かけきれないという理由もありますが、
「もう少し大きく足を前に出して」と声をかけると大きく出すことができているので、身体機能、歩行能力的には歩隔を小さくして歩幅を大きくすることは可能だと思われます。
まずは歩行時の恐怖心を取り除くことが一番ですね。
と言っても、怖がっていると言いながら、早く目的地に到着するために足の動きが忙しなくなる時があります。
理由を聞くと必ず「私はせっかちやから」とおっしゃいます笑
せっかちを治すのは難しいですね。笑


直進歩行は徐々に慣れてくるようで「1,2,1,2」とご自分でも掛け声をかけながらリズムに乗って歩けるようになってきます。
歩幅は油断すると小さくなることもありますが、歩隔は肩幅くらいで保てるようになっています。
今後の課題は
・歩隔と歩幅の定着
・方向転換時の足の踏み返し、身体の向きの換え方
です。
これらが安定してくれば歩行移動にも自信を持てて生活意欲も上がってくると思います。
右回りの方向転換がぎこちないのは、軸足が痛みのある左足になるので、かばうためかと思われます。
左下肢への徒手療法で痛みのけあもしつつ、玄関の階段昇降へのステップとしてもまずこの2つの課題をクリアできるよう、機能訓練に取り組んでいきます。