[デイサービス機能訓練] 自宅で階段を使用しないといけない利用者様の階段昇降訓練

階段昇降訓練 機能訓練

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多くの利用者さんはマンションや団地では1階に住まれたり一戸建てのご自宅では1階で生活されています。

でも、中にはエレベーターのない公団住宅の2階に住まわれていたり、寝室は2階なので1階と2階を行き来しなければならなかったりという方もいらっしゃいます。

そのような方は階段の昇り降りをしないと毎日生活を送れません。

1階中心の生活を送ることができれば一番良いのですが、それぞれお家の事情もあります。

今回はそのような利用者さんの階段昇降訓練の様子や注意している点をご紹介していきます。

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階段昇降時の注意点

階段

2足1段昇降

1段ずつトントン昇り降りできるのが理想ですが、高齢者や下肢に不安がある方はこの2足1段歩行が安全だと思います。

2足1段昇降とは

階段を昇る時・・・健側(良い方の足)を1段上げて、手すりなどを持った手と健側の足とで身体を引き上げるようにして患側(不自由な方の足)を1段上げて段上に両足を揃えます。

階段を降りる時・・・手すりなどを持った手と健側の足とで身体を支えながら、患側の足を1段降ろします。それから患側の足も1段降ろして段上に両足を揃えます。

このように一連の動作で一段一段両足を揃える状態での階段昇降を「2足1段昇降」と言います。

補足になりますが、健常者が普段当たり前のように行っている階段昇降は片足1段ずつトントンと昇降する「1足1段昇降」と言われています。

この1足1段の階段昇降をずっと続けられるのが一番ですね。

階段昇降
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足を出す順番

階段昇降訓練
階段昇降訓練
階段昇降

基本的に昇る時は健側(良い方)の足から、降りる時は患側(不自由な方)の足から出します。

昇る時は先に挙げる足に体重がグッとかかります。

痛みや麻痺がある方の足を先に挙げて体重をかけてしまうと支えきれずに転倒してしまうリスクが大きくなるので良い方の足から上の段に運びます。

階段昇訓練
階段昇訓練
階段昇訓練

逆に降りる時は下の段に足を降ろすときに上の段に残っている方の足に体重がかかります。

なので、良い方の足に体重をかけて支えられるようにするために痛みがある方の足から先に降ろしていきます。

写真の利用者さんは左大腿骨頭置換術で人工骨頭を入れておられます。

ですので左下肢が不自由なため、左足から降りて行っています。

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階段昇降訓練の様子

Fさん(仮名)80歳女性の階段昇降訓練

「2足1段昇降」の項の写真でもご紹介しましたが、左大腿骨頭置換術を受けられている利用者さんです。

軽い脳梗塞も二度起こされいますが、幸い強い後遺症はないようです。

普段はT字杖で歩行され、訪問リハビリを週1回・デイサービス機能訓練を週2回受けられています。

ご自宅は2世帯住宅仕様で玄関が2Fなので玄関前に15段ほどの階段があります。

なので、外出時は必ず階段を昇り降りしないといけないので、階段昇降訓練に取り組まれています。

                   

デイサービス・訪問リハビリ両方ともない日は雨の日や体調の良くない日以外は、ご自分で自宅玄関の階段昇降の練習をされているようです。

手すりを両手でしっかりと持ってゆっくり安定して昇降できるようになってきましたが、昇時に足が上がりきらず上の段につま先が引っかかる時があるので、段差をしっかりと見て足を上げる声掛けをして注意を促しています。

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Sさん(仮名)60歳女性の階段昇降訓練

階段昇降訓練

小児ポリオの影響で知的障がいと右片麻痺があります。

糖尿病もあり、5年ほど前に脳梗塞も発症されています。

右上肢の拘縮と右足関節(足首)の背屈(つま先を挙げる)制限があり、普段はT字杖を用いて歩行されています。

ご自宅がエレベーターのないマンションの2階なので外出する際は必ず階段を使わないといけないので機能訓練のプログラムに取り入れています。

階段昇降訓練
階段昇降訓練
階段昇降訓練

まだ年齢も60歳とお若く、右片麻痺はありますが下肢筋力は維持できておられます。

なので、2足1段昇降ではなく1足1段昇降を行っています。

写真で見ても一目瞭然ですが、踵をしっかりと乗せ切れていません。

訓練で使用している階段は屋内なので、滑ったりすることはあまりないですがマンションの階段などは雨の時など濡れている場合もあるのでこの足の乗せ方は危険です。

声掛けしないとよく忘れておられるので、階段を上り始める前に声掛けが必要です。

今回は何も言わずに昇ってもらったのですが、やはり踵のことは忘れておられたので、注意して途中から修正していただきました。

この方も上の段に躓くことが多いのでその辺りも注意して観察しながら訓練を行っています。

1回目は健側から昇って患側から降りていましたが、2回目は足の出が逆になっていました。

こういうところも定着できるよう注意深く観察して声掛けしていかないといけませんね。

踵に集中しすぎて足の順序が逆になったことを見落としていました。

踵まで十分足を乗せ切らなかったり、足の順序が逆になったりもあるからか、自宅マンションの階段で何度か転倒したと報告を受けています。

幸い大きなケガはありませんでしたが、外出時は階段昇降は必須なので転倒のリスクが限りなく0に近づけるよう訓練を継続していきます。

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まとめ

今回はお二人の利用者さんの階段昇降訓練の様子を中心にご紹介しました。

お二人ともそれぞれ課題がありますが、共通した課題点は

「上の段につまづく」ことです。

上に上るに連れてつまづく頻度が多いので、筋疲労によって足が上がりにくくなっているのかなとも思います。

15段ほどの階段でお二人とも自宅の階段と同じくらいの段数で訓練を行っています。

まあノンストップ昇り切らないといけないということはないので、途中で一回休憩を入れて試してみようとも思います。

それで「つまづき」が減少すれば筋力の維持・向上のためのトレーニングメニューをもう少し増やすなど対策も立てられます。

またこのような試み、対策で変化が出てきましたらご紹介していきます。

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