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今日はある90歳女性利用者さんに関するお話です。
認知低下は所々観られますが、ADLや歩行は自身でしっかりと行われています。
この本で認知症の方の世界を理解するとともに機能訓練のアプローチも考えられます!
私のイチオシです!
夕方に買い物に出かけることがお好きなのですが、約500~600mくらい離れたスーパーに自転車で買い物に出かけるそうです。
その道中はご自宅がある住宅街を抜けて少し大きめの道路を渡るという道のりになりますが、抜け道として走る車も多く、高校生が自転車でよく走っています。
「自転車は危ないから買い物は歩いて行ってね」とデイサービススタッフはもちろん、同居されているお嫁さんやケアマネからも口酸っぱく言われていたのですが、
「歩いて行ったら帰り荷物持って帰ってくるのが大変や」
と言って全く聞く耳を持ちませんでした。

でも、何度か自転車でこけたと言って擦り傷やアザを作ってきたり、スーパーで自転車を置いた場所を忘れて探し回ったりと自転車での買い物は危険やなというのが私たちを含めたみんなの意見としてより一層強くなってきました。
しばらくは自転車には乗らないようにという声掛けだけでしたが、ある日自転車がなくなっていました。
ご本人に聞くと
「スーパーに乗っていって帰ろうと思ったら無くなってた。盗られたんや」
とおっしゃっていました。
自転車が無くてどうやって帰って来たのか尋ねると
「歩いて帰ってきた」とのことでした。Σ( ̄□ ̄|||)
本当のところは、ご家族が強制的に自転車を処分してしまったとのことでした。😓
ちょっとかわいそうではありますが仕方ないですね。
それからは買い物には歩いて行っているようです。
ご本人は自転車がなくなった当初も「自転車で買い物に行ってる」とおっしゃっていましたが、最近はようやく歩いて行ってることに慣れてきたのか「歩いて行ってるよ」と答えられるようになりました。

ここで買い物についての話は一段落かなと思っていたところへケアマネから
「歩行車を導入したので買い物時に使うよう歩行車で歩行訓練をするように」
連絡があったのです。
「ん?いきなり導入したから使えるように練習しろって・・・」
まずは導入する前に他サービス事業者などに導入を検討しているがどう思いますか?
とか相談するべきなのではないのでしょうか?
そのようなきちんとした対応をするケアマネも当然いるので、そのような対応が基本だと思います。
ケアマネと家族に決定権があるにしても決定して事後報告ではこちらも対応に困ります。( ノД`)シクシク…
買い物の時だけ使うという名目で歩行車をレンタルしたそうですが、ご本人は
「面倒くさい、スーパーでは邪魔になる」と言って持っていく気はありません。
同居しているお嫁さんや孫さんも本人には直接言わないようだし、ご主人は無関心。
ケアマネも導入してどのようにして使わせるかなどの具体策もなし。
ただ歩行訓練で歩行車を使って歩く練習をしてくださいというだけ。
ご本人は独歩可能なので、介護スタッフも使って歩くよう促すこともほとんどない。
デイサービスに持ってきて玄関に置きっぱなしで歩行訓練の時だけ使う・・・
意味あるのか?笑
歩行車を導入したというプランを立てただけで自己満足しているような気がするのは私だけでしょうか?
歩行訓練だけでしか使わないから送迎時に歩行車を乗せ忘れたり降ろし忘れそうになったりすることもちょくちょくあるようです。
歩行車を導入すること自体は利用者さんにとって良いことだと思いますが、導入してどのようにして使ってもらえるようにするのかというところが重要だと思います。
実際に買い物に行くときに使うことを促すことも機能訓練士に任せるのか、それとも家族に協力してもらうのか、ケアマネが声掛けするのかというところまで含めて考えて計画を立案するのはケアマネの仕事ではないのでしょうか。
結局歩行訓練でだけ使うのなら必要ないです。
自宅玄関に置きっぱなしではインテリアにもならないしただただ邪魔なだけですね。
こんなケアマネにも忖度して何も言えないというのは、介護業界の闇ですかね。