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今日は脳梗塞後遺症右片麻痺利用者さんの更衣訓練として靴下を履く練習を行いました。
Kさん77歳男性利用者さんです。
4年くらい前に脳梗塞を発症され、右片麻痺が残りました。麻痺はあるものの杖での歩行は比較的しっかりとされていたのですが、2か月ほど前まで約1か月間体調を崩して入院して以来、患側(右)上肢の拘縮が以前より強くなって動かすことを拒否することが増えました。歩行時の足の出も日内変動はありますが、芳しくない時が多く機能訓練にも気乗りしないという日が増えました。
機能訓練というと構えてしまわれるので、入浴後の服の着用時に機能訓練を兼ねて私が一緒に更衣を行いました。
下着やシャツなども全て一緒に行いましたが、認知低下も進んでいるため、前後の向きや患側から着るということを説明しながら行いました。
裸の様子をご紹介するわけにはいかないので、今回は靴下を履く様子をご紹介します。
靴下を履くことが難しいと思う方はこれを使ってみては?
下着やズボン、シャツなどは患側から腕や足を通してもらっていますが、靴下は健側から履いてもらいました。
患側の手を使えず、健側の手だけで靴下を持つので足先を入れることがうまくできません。
なので、足先を入れるところは私が補助しました。
するとご自分で健側の手で引き上げてほぼ履くことができました。


次は問題の患側です。
健側は下肢に力を入れて固定できるので、履きやすいと思います。
患側は足を挙げて維持できないので、健側の大腿部の上に置いて足を組むような態勢で履く形になります。


こちらもやはり足先を靴下に入れるのが難しいので、補助を行いました。


足先が入ると時間は少しかかりますが、ご自分である程度引っ張り上げて履くことができます。
ただ、患側の下肢は思うように力が入らず、ズルズルと足が滑って落ちてくるので何度か健側の手で持ち上げて足の位置を維持しないといけません。


患側の手指を動かしたり、ハンドグリップでトレーニングしたりは嫌がられますが、健側の手は進んでトレーニングされるので健側の手で掴んで引っ張る力はしっかりされています。
足首の辺りまではスムーズに履いていきます。
握って手指のトレーニング&手指の動きで脳を活性化!


少し歪んでたわんでしまったところや細かいところの修正は私が補助して両方とも無事履くことができました。
所要時間は約4分でした。
靴を履く時も同じことが言えるのですが、履き終えて健側の太ももに乗せた患側の足を降ろす時もまた注意が必要です。
あらかじめ声掛けしておかないと、患側の足に力が入らないのでドスンと勢いよく落としてしまうことがあります。
何も言わなくても健側の手で支えながらゆっくり降ろせる時もあるのですが、「ゆっくり気を付けて降ろしてね」と声掛けしていても勢いよく落としてしまうことも多いです。
今日も降ろす時にしっかりと健側の手で支え切れず、中途半端に落とし気味に患側の足を降ろしていました。
この本で認知症の方の世界を理解するとともに機能訓練のアプローチも考えられます!
私のイチオシです!

入浴後で少し疲れているということもありますが、動作が緩慢になってしまいます。
これはKさんに限らず多くの高齢者の方に言えることです。
今は暑い時期なので服を着るのに少々時間がかかっても気温や体温的には支障ないかと思いますが、気温が下がってくると少しでもスピーディーに服を着れる方が湯冷め防止につながります。
歩行ももちろん日常生活において大事な能力ですが、健康に生活を送るために実践的なADL能力の向上も必要不可欠です。
一つでも自力で出来るADLの動作を増やして利用者さんの生活にハリが出るよう一緒に取り組んでいます。