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今日はUさん(90歳女性)の車椅子からの立ち上がり・立位保持訓練の様子です。
Uさんは約30年前に脳梗塞を発症されたそうで右片麻痺後遺症があります。
右半身の拘縮も強く右足関節には尖足姿勢を抑制するため装具を常時着用されています。
5年ほど前から現在の住宅型老人ホームに入所されています。
コロナ禍になり緊急事態宣言が出るたびに外出禁止になるなどの影響でデイサービスへ来られる機会もグンと減って認知症も進行が観られます。
機能訓練も実施できない期間が多くなり、立位保持が少しずつ出来るようになってきたところで長期で休みになってまたできなくなるということを繰り返しています。
今回もご本人がコロナウィルスに感染してしまったこともあり約1か月振りのデイサービスのご利用と機能訓練になります。
この本で認知症の方の世界を理解するとともに機能訓練のアプローチも考えられます!
私のイチオシです!
生活動作で一番課題になっているのがトイレ時の立ち上がりと立位保持です。
1人でトイレで用を済ませるのは困難なので介助に必ず女性スタッフが付きますが、手すりを持っても立位が不安定なので1人では対応しきれず2人での介助でないと厳しいそうです。
身体を支えながら下着とズボンを上げたり下ろしたりという作業は女性スタッフ一人では大変ですもんね。
デイサービスでもトイレは女性スタッフが2人付いて入っています。
でも1人のトイレ介助に2人を取られると他業務や他の利用者さんにも影響が出てきます。
ということで、介助負担を軽減してUさんも気兼ねせずにトイレで用を済ませられることを目標に立ち上がり・立位保持訓練に取り組んでいます。
入浴・更衣時もトイレ時同様、立ち上がりや立位保持が必要な場面が多いので浴室の手すりを利用して立ち上がりと立位保持の訓練を実施しています。
ちなみにトイレも浴室と同じ縦型の手すりです。
立ち上がりは最初は中々下肢に力が入らないのかお尻が挙がりにくかったり、膝が伸びずに中腰状態くらいまでしか立ち上がれなかったりすることもありますが、徐々に力が入れられるようになってくるのか段々お尻の位置も高く維持できるようになってきます。
でもそれに反比例するように立位を保持できる時間が短くなって10秒持たずに座り込もうとする場面も観られます。
ご本人はしっかりとお尻を挙げて立ち上がれているつもりのようですが、私が後ろでいつでもお尻を持てる態勢で居ないといつドスンと尻もちを着いてしまうか不安な状態です。
一時は機能訓練の時はほぼ見守りだけで立位を20秒近く連続保持できるまでになっていたのですが、コロナの影響で長期デイサービス利用中止されて機能訓練ができない間にまた立位保持する力も落ちてしまいました。(´;ω;`)
コロナはこんなところにまで影響を及ぼしてきますね😣
機能訓練指導員も本が一冊あると心強いです!
![[デイサービス機能訓練]
立位保持訓練](https://xs245838.xsrv.jp/taka-blog/wp-content/uploads/2022/11/uk3.jpg)
![[デイサービス機能訓練] 立位保持訓練](https://xs245838.xsrv.jp/taka-blog/wp-content/uploads/2022/11/uk2.jpg)
スタンスが狭くしっかりと下肢で体重を支え切れず座り込んでしまうようなので、足を肩幅・車椅子のフットレストいっぱいまでに広げてどっしりと下肢で体重を支えるという態勢を意識できるよう声掛けしています。
また、トイレや入浴介助時も足幅に注意してもらうよう介助スタッフに伝えています。
後は、手すりになるべく身体を近づけて健側の腕の力をしっかりと使える位置で立ち上がれるようなポジションで動作することも重要ですね。
手すりから離れた位置からだと腰が引けるような姿勢で立ち上がることになり、余計に力が入りにくくなります。
あまり近づきすぎると頭を壁にぶつけてしまう可能性が出てきますのでその辺りも注意しながら力の入りやすいポジションをまず定着していきたいと思います。
「安定した立位の為に広めのスタンス」
「手すりに近い位置で立ち上がる」
この2点に注目しながらUさんの個別機能訓練を実施していきます。