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今日は変形性膝関節症(膝OA)の痛みに悩むOさん83歳女性利用者さんの機能訓練です。
平行棒での歩行訓練も行っていますが、今日は背臥位(仰向け)でマッサージ、ストレッチなどの徒手療法と筋力トレーニングを少し実施しました。
膝関節の変形も進んでいて、内反膝(O脚)が強くなっています。


右よりも左の方が変形が強く、痛みの訴えも強いです。
立位保持も歩行時もバランスを保ちづらいようで歩隔が大きくなります。
ご自宅玄関にトータルで5段ほど階段があり、その階段の昇降が大変で億劫になるそうで外出する機会がかなり減ったようです。
デイサービスに来ることもよく拒まれることがあります。
ご自宅内、屋外とも基本的には歩行車を用いて歩行されますが、膝の痛みに加えて外反母趾も歩くと痛むようで非常にペースはゆっくりです。
ですので、現在は痛みの緩和が第一と考えて下肢への徒手療法を中心に平行棒での歩行訓練を並行して行うというプログラムを実施しています。
個別機能訓練教本も一冊あれば便利です♪
下肢へのマッサージ
前脛骨筋部(すね)、膝周り、大腿前面、内側をメインで施術しています。
Oさんは大腿前面、特に膝蓋骨(膝のお皿)のすぐ上の部位の筋の緊張が観られます。
その辺りをしっかりと揉捏します。
大腿部はどこを触っても心地良いようですので、大腿部全体が膝の変形のせいで筋バランスが崩れているのでしょう。
下肢のマッサージに関してはこちらの記事で詳しくご紹介していますのでご参考ください。
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・[背臥位(仰向け)での下肢マッサージ]~足底から大腿部にかけての軽擦・揉捏メインでのアプローチ~
膝窩も軽く触って緩めてあげます。
大腿二頭筋腱部も軽擦してあげるだけで膝の伸びが良くなったりします。
膝蓋骨をゆっくりグルグルと回転させるように動かす動作も取り入れています。
膝蓋骨の動きが良くなれば膝関節自体の動きも良くなります。
下肢ストレッチ
膝関節の屈曲拘縮も観られますので、膝の屈伸には注意して行っています。
過伸展や深屈曲で余計に痛みを増幅させないようにじんわりとストレッチを行います。
ご自分で自宅でも行ってもらえると良いのですが、少し認知力も低下されているので忘れてしまうようです。💦
膝関節の屈曲拘縮の加減で大腿後面(ハムストリングス)の短縮があるようで、少し膝を伸ばしたまま足を挙げるだけで大腿後面に張り感を訴えられます。
このまま何もせずに放置しているとさらに膝関節の屈曲拘縮が進み、歩行が完全に困難になってしまう恐れも出てきます。
少し時間をかけてじっくりとストレッチを実施しました。
歩行時の足関節(足首)・股関節の動きも必要で、これらの関節の働きが悪いと膝関節への負担のさらに増えるので、回旋などの他動運動も取り入れています。
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軽い筋力トレーニング
大腿内側の筋群の活動量を増やすことも内反膝(O脚)の進行対策になりますので筋力トレーニングは欠かせません。
歩行時の体幹バランスを安定させるて膝関節への負担を軽減できるよう、臀筋や腸腰筋の筋力強化も必要になってきます。
今回は内転筋部と臀筋部のトレーニングだけ行いましたが、普段は大腿四頭筋(大腿前面)や腸腰筋のトレーニングも実施しています。
背臥位での下肢徒手抵抗トレーニングについてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
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[デイサービス機能訓練]~背臥位での下肢徒手抵抗運動~利用者様の筋力に応じて抵抗する力をコントロール
全てトータルして今回は約10分ほどの訓練でした。
マッサージの時間を少し短縮して筋力トレーニングをもう少し増やして実施してもそこまで時間はかからないですね。
歩行訓練込みで15分くらいです。
これでも正直足りないくらいですが、後はご本人にも自分一人で出来ることを行ってもらうよう地道に声掛けを継続していきます。
また、定期的に状況をご紹介していきたいと思います。
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