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私の勤務しているデイサービスでは利用者さん全員を対象にマッサージのサービスも行っています。
毎日20~30人ほどの方が来所されており、個別機能訓練の業務もありますので、時間的にはお一人5分程度ずつではありますが、お一人ずつ主訴をお聞きし、対象部位に対して施術させて頂いてます。
今回は腰背部への施術の様子をご紹介します。
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利用者様の症状
今回ご紹介するマッサージを受けられているのは施設入所されている80代女性のBさんです。
骨粗しょう症と診断されていますが骨折等の受傷歴はないとのことです。
ただ胸腰椎移行部辺りに側弯が観られます。
痛みはないようですが、腰背部のだるさ、筋の張りを感じておられ不安があるとのことで、マッサージを受けられる当デイサービスに来所を決められたそうです。
個別機能訓練は受けられていません。
側弯とは・・・?

背骨が左右に湾曲した状態で、背骨事態のねじれが起こることもあります。
進行すると腰背部痛や心肺機能低下をきたすことがあります。
ひどくなると歩行にも支障をきたします。

服の上からではほとんど分からない程度の側弯ではありますが、普通に座っている状態でも右肩が少し左肩に比べて下がっているのが分かります。
来所されてもう2年くらいになりますが、症状や見た目に変化は出ていません。
変形が進行することもなく、痛み等の訴えもないです。
肩首温めて肩コリ解消♪
施術の風景


臀部へのアプローチ
私は腰背部の施術を行う時は基本的にはハムストリングス、臀部からアプローチしていきます。
今回の対象は胸椎側弯が要因と考えられるのであまり殿筋は関係ないと思われるかもしれませんが、腰背部の筋疲労や姿勢の変化から臀部や下肢への負担があることも考慮して触診、施術しています。
Bさんは中殿筋部に少し張りがあるので中殿筋を中心に軽擦と軽い揉捏で緩めています。
写真は揉捏法ですが、最初に軽擦を施しています。
軽擦法とは・・・?

マッサージの基本となる手法で、軽く撫でるように刺激することで、血行を促します。
また、新陳代謝も活発になるので、細胞の生まれ変わりを早める効果も期待できます。
主に手技の開始時と終了時に使う手法です。
「軽擦に始まって軽擦に終わる」って感じですかね。
揉捏法とは・・・?

疲労などで硬く凝り固まった筋を緩める手法で、血液の循環を促して筋委縮や麻痺等の症状の治療に使われます。
一般的によく使われている手法で、皆さんがご自宅で「肩揉み」してあげてるやり方だと思ってもらえれば良いと思います。
個別機能訓練教本も一冊あれば便利です♪
腰背部へのアプローチ
腰背部へのアプローチも臀部同様、軽擦法から始めて主に揉捏法的な手技で進めていきます。
Bさんの側弯は左寄りで左側の脊柱起立筋群の緊張が著明に観られます。
左側の起立筋部を触れていくと右に比べて太く索状に触れ、左右に指を滑らせるとクリンクリンと弦楽器の弦をはじく様に弾けます。
これが筋硬結です。
筋のコリみたいなものですね。
こ奴は人それぞれ触り方によって感じ方が変わるのですが、Bさんは筋の走行に沿ってやんわり揉捏していく手法がお好きなようです。
大体の方はこの手法が心地よいと仰るのですが、たまに弦楽器をはじく様に筋に対して垂直方向に指を動かす手法を好む方もいらっしゃいます。


Bさんは骨粗しょう症で、ちょっとした外力でも骨折の可能性があると不安感をお持ちなので軽擦と緩めの揉捏で施術を行っています。
側弯そのものを治癒させる手助けというのは無理ですが、腰背部の違和感やだるさ、精神的な不安は取り除けているようで週1回のご利用を楽しみにして頂けてるようです。
この本で認知症の方の世界を理解するとともに機能訓練のアプローチも考えられます!
私のイチオシです!
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は腰背部へのマッサージの様子をご紹介しました。
筋緊張を取り除いてあげることをメインに行っています。
高齢の方なので必要以上に圧も加えず、リラクゼーションに近い施術ではありますが、喜んで頂けているので継続していきたいと思います。
もう少し時間に余裕があれば肩甲骨周り(棘下筋部など)にもアプローチしていきたいところです。
また経過をご紹介していければと思います。