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洗濯物をたたむ動作は比較的簡単な生活動作の一つだと思います。
特に今の高齢利用者さんが若いころの昭和時代は女性が家事をほとんど行っていた時代なので手慣れた作業でもあります。
しかし認知機能の低下や上肢の筋力、手指ピンチ力(物を指で掴む力)の低下に伴ってたたむ作業もままならない、できないという利用者さんもいらっしゃいます。
「独居なので洗濯を自身でできるようになりたい」「タオルや衣類などを自分で整理して片づけられるようになりたい」といった目標を立てた際に実際に行っている機能訓練の風景をご紹介します。
個別機能訓練教本も一冊あれば便利です♪
手指の運動


手指の運動を行っています。
上の写真では手のグーパーを繰り返す体操を行っています。
簡単ではありますが、手指の運動になることはもちろん、指先を動かすことによって指先の毛細血管の血行も促進され、脳の活性化にもつながります。


グーパー体操以外にもハンドグリップやダンベルを使って座ったままで手軽にトレーニングしてもらえます。利用者さんと他愛もない話をしながら一緒に行ってあげるのも良いかもしれませんね。
手指の運動に関しては
【デイサービス機能訓練Ⅰ-ィ】片麻痺の利用者様への対応③患側手指の巧緻性向上
この本で認知症の方の世界を理解するとともに機能訓練のアプローチも考えられます!
私のイチオシです!
でも紹介していますのでこちらもご参考ください。
手指巧緻性向上訓練
塗り絵


「色を塗る」とか「字を書く」という作業は手指の細かな動きの練習に大いに役立ちます。
洗濯物をたたむのにそんなに指の細かい動きは必要ないと思われるかもしれませんが、端と端を合わせて綺麗にたたむためには確実な手指の動きや力が必要です。
レクリエーションも兼ねて行える手指のトレーニングを
【デイサービス機能訓練Ⅰ-ィ】片麻痺の利用者様への対応④患側手指の巧緻性向上レクリエーション3選
の記事でもご紹介していますのでそちらも合わせてご参考ください。
折り紙


これは洗濯物をたたむ動作に近いので実践的な動作訓練になるかと思います。
写真では古い新聞広告で卓上のゴミ箱を折ってもらっています。
もちろん季節のイベントで使う飾り等を折り紙で折っていただくのも良いと思います。
どちらも訓練になるし施設スタッフの手助けにもなるし一石二鳥ですね。
実践的に洗濯物をたたむ



まずは簡単なタオルやおしぼり等から始めると良いと思います。
1つのテーブルで4~5人でワイワイ言いながらやるのも楽しみながら行っていただけますし、訓練士が見守っていれば少人数で行っているので、れっきとした個別機能訓練となります。


タオルがきっちりとたためるようになったら次はシャツなどの衣類をたたむ練習に取り組んでいただきます。
タオルやおしぼりは正方形か長方形のものでほとんど4つ折りにするだけですが、シャツは袖の部分があったりするので少し難易度が上がります。
でも自宅では衣類の片づけも必須だと思うので必要に応じて手伝いながら行ったりしています。



まとめ
今回は「洗濯を自身で行えるようになりたい」「衣類の片づけを自分で出来るようになりたい」等の目標に対して私が行っている機能訓練の内容、様子をご紹介しました。
もちろん「洗濯機をつかえるようになる」や「洗濯物を干す・取り入れる」といった作業の練習も必要ですが、独居の方でも洗濯して干すまではヘルパーさんやご家族にしてもらっているので「取り入れ」と「たたんで片づける」という作業ができることに重点を置いているという利用者さんも多いです。
ですので、まずは一番必要で簡単なところから取り組めるようにプログラムを組んで行っています。
手指の体操もたたむ作業も複数の利用者さんを座ったままの態勢で安全に行ってもらえて、指導員も複数の利用者さんを同時に観ることができますので効率も上がります。
利用者さんに楽しみながら訓練していただけるのが一番ですよね。
ただ運動する、筋トレするというだけでなくより日常生活動作に近い動作の練習をもっと取り入れていくべきだと思いますので私も引き続き精進していきたいと思います。
皆様も是非試してみてください。
椅子座位での体操はコチラも是非ご参考ください♪