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マッサージは好きだけどストレッチは嫌い、嫌だという方も多いですね。
整骨院で勤務していた時に患者さんがよくそんな風におっしゃっていました。
でも、筋肉に刺激を与える、動かすという意味ではマッサージもストレッチも筋肉に及ぼす効果は似ているものだと思います。
今回は、腰にだるさや痛みがある方や下肢のだるさ・むくみが気になる方に行っている下肢・腰の他動ストレッチをご紹介します。
自分一人で出来るようなストレッチもありますので、最後までお読み頂き是非ご参考ください。
ストレッチとは

スポーツや学校の体育の時間など、アキレス腱を伸ばす動作をよくやっていた記憶がある方も多いと思います。
その他、ラジオ体操第一の中にも身体を伸ばすストレッチ的な動作が盛り込まれています。
ストレッチにはじわ~っと時間をかけたり、動きを伴ったり、反動をつけたりと方法にいくつか種類があります。
私は今は高齢者の方を施術することがほとんどなので、ゆっくり伸ばす静的なストレッチを行うことが多いです。
膝や股関節、足関節の可動域拡大のために関節を少し早く曲げたり伸ばしたりすることもあります。
ストレッチは、運動前のパフォーマンス向上やケガ防止、ADL(日常生活動作)の維持・向上、血行促進・神経鎮静による痛みなどの緩和のためなど幅広く効果をもたらす行為なのです。
下肢・腰部ストレッチ

まずは下肢のストレッチから行います。
こちらの利用者さんは慢性腰痛で常に痛みがあるわけではないのですが、畑で草むしりなどした後は腰のだるさや痛みを訴えられることが多いです。
伏臥位(うつ伏せ)でマッサージを行った後、ストレッチも少し取り入れてみました。
伏臥位でのストレッチ
大腿四頭筋ストレッチ


まずは大腿四頭筋(太ももの前面)のストレッチです。
施術者の手刀を膝裏で挟みます。
四頭筋の伸長度は個人差が出ます。
四頭筋が硬くなっていたり、膝が悪い方はすぐに四頭筋部が突っ張ってきます。
ですので、「膝周辺に痛みがでていませんか」などの声掛けをしながらゆっくりと曲げていきましょう。
ただ手刀を挟んで曲げるだけではあまり伸張感がないという方もいらっしゃいます。
そんな方は、太ももの下に畳んで厚くしたタオルなどを敷いて股関節を進展させて行ってみてください。
大腿四頭筋が短縮すると、身体の後面と前面とのバランスが崩れて腰部の筋肉の緊張が強くなり腰に痛みやだるさが出現することがあります。
腸腰筋ストレッチ


腸腰筋の短縮は太ももを挙げにくくしたり、しゃがみ込む動作をしにくくしたりと下半身の動作に悪影響を及ぼします。
放っておけば反り腰の姿勢になりがちで腰の痛みも誘発します。
普段座っていることが多いと、股関節を屈曲した状態が長く続くことになります。
なので、股関節を伸展(後ろへ反らす)させる動作を取り入れることでバランスをとる必要があります。
背臥位(仰向け)でのストレッチ

下肢後面ストレッチ

まずは下肢の屈筋群(後面)全体を伸ばします。
無理に強く伸ばさず、心地よく感じるところで静止します。
また、呼吸を止めず、リラックスしてもらいながら行います。
下腿後面(ふくらはぎ)ストレッチ

踵を肩に乗せて足首を曲げます。
下腿(ふくらはぎ)のストレッチです。
一般的には「アキレス腱を伸ばす」というものですね。
ふくらはぎは「第2の心臓」と言われるほどデリケートな部位です。
心臓からも遠いうえに、重力に逆らって血液を心臓に送り返さなければいけません。
なので、筋力が弱ったりして血流を押し返す力が低下すると浮腫(むくみ)が発生することがあります。
ストレッチで筋肉や血管に適度に刺激を与え血流を促進させて浮腫の改善を図る一つの手段ともなります。
股関節ストレッチ

股関節周りの筋肉が硬くなって関節の動きが悪くなると、日常生活の様々な部分で悪影響を及ぼします。
股関節の動きが悪いと歩幅が小さくなったり、今まで跨げていたものが足が十分挙がらず躓いたり転倒したりするリスクも考えられます。
血行不良にもなり、身体のむくみや腰痛などの原因になります。
ですので、股関節のストレッチも左右しっかり行います。
ハムストリングス(大腿後面)ストレッチ

ハムストリングス(大腿後面)が硬くなると前屈がしにくくなります。
そんな状態で下のものを取ろうとしたりして無理に前かがみになると腰部の筋肉に余計に負担がかかり腰痛を引き起こす原因になり得ます。
また、ハムストリングスが硬く短縮すると膝関節もしっかりと伸び切らなくなり、立位時や歩行時の姿勢にも影響が出てきます。
身体のバランスをしっかりと保つためにもハムストリングスのストレッチもしっかりと行います。
股関節・足関節(足首)回旋


簡単に言うと、関節は適度に動かすことによって、関節液という関節の潤滑油になるものが出て、
より滑らかな関節運動を行おうとします。
ですので、関節の曲げ伸ばしや回旋運動も取り入れて行っています。
膝関節は回旋できないので、膝に痛みがある方などにはゆっくり曲げ伸ばしを行います。
回旋運動は写真では少し分かりにくいですので、ここでストレッチ善隆案の様子も含めて動画をご覧頂ければと思います。
要臀部ストレッチ

ただ椅子に座ているだけでも腰には負担がかかります。
正座をしていれば腰への負担は減りますが、現代は正座をする生活様式ではなくなってきていますし、膝への負担が懸念されます。
なので、腰部筋のケアも重要です。

ただ両膝を立てて左右に倒すだけです。
倒した時に倒す方向と逆の肩が上がると十分伸張できないので、肩を軽く押さえながら倒します。
中殿筋などの殿筋群もストレッチしたい場合は足をクロスさせて倒します。

高齢者の方は股関内旋の可動域が小さくなっていたりするので無理にクロスさせる方法はとらず、両膝を立てて揃えた状態で左右に倒す方法で私は行っています。
施術対象者の状況に応じて使い分けています。

簡単に言うと、両方の股関節を同時に屈曲させる動作です。
前脛部(すね)の辺りを持って押しても良いのですが、膝を完全屈曲させてしまうのを避けるため大腿後面に手を当てて押し込むような形を取っています。
関節への負担をそこまで気にしなくても大丈夫な方であれば膝もガッツリ曲げ切ってダンゴムシのように完全に丸まっているような態勢にしても良いと思います。


最後にご自宅でも自分でできますよと声掛けしています。
朝起きた時、夜寝る前の1日2回やってみてくださいとやり方を説明したプリントもお渡ししました。
もう何度も伝えているのですが、認知が進んでおられるようで忘れてしまわれます。
根気よく声掛けするしかないですね。
まとめ
今回は下肢から腰にかけての他動ストレッチをご紹介しました。
高齢な方が対象でしたので決して無理に伸ばさない方法ですが、強さややり方は対象者の身体の具合に合わせて行います。
マッサージと組み合わせて実施すると効果もより期待できると思いますし、利用者さんも満足感を持っていただけるでしょう。
今回のストレッチの前に行ったマッサージの様子はこちらの記事でご紹介していますのでご参考ください。
高齢者の方が座ったまま簡単に実施できる体操などもご紹介しています。